借入可能額の逆算とは
住宅ローンを検討する時、「いくら借りられるか」より「無理なく返せる金額か」から逆算する方法が安全です。 毎月の家計から「これなら毎月払える」金額を決めて、その範囲で借りられる金額を計算します。
このページの計算機は、毎月の返済額・ボーナス時の返済額・年利・返済期間の4つを入力すると、元利均等返済(毎回の返済額が一定になる方式)で借りられる元金の上限を逆算します。使う場面は、住宅の予算を決める前の「そもそもいくらの物件まで見てよいか」を知るとき、家賃と同じ額を返済にあてたら何万円借りられるかを試すとき、金利が上がったら借入可能額がどれだけ減るかを比べるときなどです。年収から審査上の上限を出す計算機ではなく、あくまで「家計から逆算する」道具です。
計算式と手順(元利均等返済の逆算)
元利均等返済では、借入元金 P・月利 r(年利 ÷ 12)・返済回数 n(年数 × 12)から毎月返済額 M が次の式で決まります。
M = P × r × (1 + r)n ÷ {(1 + r)n − 1}
この計算機はこれを P について解いた式を使います。
P = M × {(1 + r)n − 1} ÷ {r × (1 + r)n}
ボーナス返済分は「半年ごとの返済」として別枠で同じ式を使います。半年あたりの利率は月利 × 6、回数は返済期間の月数 ÷ 6(端数切り捨て)です。毎月分とボーナス分をそれぞれ求めて足したものが「合計借入可能額」になります。
数値例1:毎月8万円・ボーナス時12万円・年利1.5%・35年(初期値)
月利 r = 0.015 ÷ 12 = 0.00125、n = 420回。
毎月分 = 80,000 × {(1.00125)420 − 1} ÷ {0.00125 × (1.00125)420} ≒ 26,128,042円
ボーナス分:半年利率 0.0075、回数 70回 → 120,000 × {(1.0075)70 − 1} ÷ {0.0075 × (1.0075)70} ≒ 6,516,555円
合計借入可能額 ≒ 32,644,597円(約3,264万円)。総返済額は 80,000 × 420 + 120,000 × 70 = 4,200万円なので、利息合計は約935万円です。
数値例2:毎月10万円・ボーナスなし・年利1.5%・35年
毎月分 = 100,000 × 326.60… ≒ 32,660,053円(約3,266万円)。数値例1とほぼ同じ借入額ですが、こちらはボーナスに頼らない構成です。「毎月8万円+ボーナス12万円」と「毎月10万円」は年間の返済額がどちらも120万円で、借りられる額もほぼ同じになることが分かります。
毎月返済額×金利別の借入可能額 早見表(35年・ボーナスなし)
上の式で計算した借入可能額です(1円未満四捨五入)。同じ毎月返済額でも、金利が0.5%から3.0%に上がると借りられる額が3割以上減ることが読み取れます。
| 毎月返済額 | 年利0.5% | 年利1.5% | 年利3.0% |
|---|---|---|---|
| 5万円 | 19,261,486円 | 16,330,026円 | 12,992,068円 |
| 8万円 | 30,818,377円 | 26,128,042円 | 20,787,309円 |
| 10万円 | 38,522,972円 | 32,660,053円 | 25,984,137円 |
| 12万円 | 46,227,566円 | 39,192,063円 | 31,180,964円 |
期間を短くした場合の例:毎月8万円・年利1.5%で25年にすると約2,000万円(20,003,184円)、毎月10万円・年利1.5%で20年にすると約2,072万円(20,723,438円)です。期間を35年から25年に縮めると、同じ毎月返済額で借りられる額は約23%減ります。
返済負担率の目安
年間返済額 ÷ 年収 = 返済負担率。一般的に20〜25%以内が安全圏とされます。フラット35では年収400万円未満で30%、400万円以上で35%が上限です。
| 年収 | 月返済 上限(20%) | 月返済 上限(25%) |
|---|---|---|
| 400万円 | 66,667円 | 83,333円 |
| 600万円 | 100,000円 | 125,000円 |
| 800万円 | 133,333円 | 166,667円 |
| 1,000万円 | 166,667円 | 208,333円 |
「借りられる額」と「返せる額」の違い
銀行が出す融資可能額は、年収・勤続・他借入で決まり、返済負担率35%程度まで認める場合があります。一方、家計上の無理なく返せる額は20〜25%。両者には大きな開きがあります。
- 融資上限まで借りると、教育費・老後資金が圧迫されやすい
- 子供の独立費・修繕費・税金等の臨時支出を考慮
- 収入減(病気・転職・退職)リスクも視野に
借入額の年収倍率目安
- 年収倍率 5倍: 安全圏(教育費等への余裕あり)
- 年収倍率 6〜7倍: 標準(変動金利・低金利時代の現実的水準)
- 年収倍率 8倍以上: 注意(金利上昇・収入減で家計圧迫リスク)
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「借りられる額」と「返せる額」は違います
金融機関の審査上限まで借りると、教育費や老後資金が苦しくなることがあります。無理のない借入額はファイナンシャルプランナー(FP)に無料で相談できます。
FPに無料で相談する →関連する計算機
- ローン返済シミュレーター ↗ — 元利均等/元金均等で月返済額を計算
- ボーナス併用返済 ↗ — ボーナス併用返済の月返済額を計算
- 繰上返済 ↗ — 期間短縮型/返済額軽減型の節約効果
よくある間違い・注意点
- 「借りられる額」と「借りるべき額」は違う:審査が通る上限と、無理なく返せる金額は別。返済負担率25-30%が安全な目安。
- 諸費用を忘れない:物件価格の3〜10%が諸費用(保証料・登記・印紙・引っ越し代)。手付金とは別に必要です。
- 団信加入が条件:住宅ローンの多くは団体信用生命保険への加入が必須。健康状態によっては融資不可。
- 金利は「審査金利」ベース:金融機関の審査では実際の金利より高い「審査金利」(3-4%)で返済負担率を計算します。
- 頭金20%が理想:頭金が物件価格の20%あれば金利優遇を受けやすく、月々の返済も楽になります。
- ボーナス返済の計算は半年複利ではない:この計算機はボーナス分の利率を「月利 × 6」として半年ごとに計算します。金融機関によっては日割りや月次の計算方法が異なるため、ボーナス分の借入可能額は数万円単位でずれることがあります。
- フラット35の借入額・期間の枠:住宅金融支援機構のフラット35は借入額100万円以上1億2,000万円以下、返済期間は満60歳未満なら15年以上35年以下で、かつ「80歳 − 申込時年齢」が上限です。45歳で申し込むと最長35年ですが、50歳なら30年までとなり、この計算機の「期間」もそれに合わせて入力する必要があります。
よくある質問(FAQ)
Q. 年収倍率の目安は?
Q. 共働きでペアローンを組むと?
Q. 既存のローンがあると借入額は減りますか?
Q. 自営業・契約社員でも借りられますか?
Q. 金利が1%上がると借入可能額はどれくらい減りますか?
Q. 今の家賃と同じ返済額なら、いくら借りられますか?
Q. 入力データはどこに保存されますか?
⚠ 出典・借入判断にあたっての注意
出典: 住宅金融支援機構「フラット35」、フラット35「ご利用条件」(総返済負担率・借入額・借入期間)、 金融庁「貸金業関連情報」。 本ツールは試算値で、銀行の融資審査結果を保証するものではありません。実際の借入条件は金融機関の窓口にてご確認ください。
最終更新日: 2026年9月21日
変更履歴
- 2026/09/21 — 解説・具体例・FAQを追加
- 2026/05/08 — FAQ・注意点・出典リンク追加
- 初版公開