表面金利と実質金利
表面金利(r) は名目年率(Nominal Annual Rate)。複利周期 k に応じて、各期に r/k の利率が適用されます。
実質金利(R, APY) は1年間の真の収益率(Annual Percentage Yield)。複利効果を含めた実質的な利回りです。
計算式
r = k × ((FV/PV)1/(n×k) − 1)
R = (FV/PV)1/n − 1
PV:元金、FV:元利合計、n:年数、k:年あたりの複利回数。1年複利(k=1)のときは表面金利と実質金利が一致します。実質金利 R は「年平均成長率(CAGR)」と同じ計算式で、投資の実績を年率に直すときにも使われます。
このページの使いどころ
このページは「いくらを、何年で、いくらにしたいか」が決まっていて、そのために必要な利回りを知りたいときの計算機です。たとえば「100万円を10年で150万円にしたい」なら年利何%の商品を探せばよいかが分かります。逆に、過去に100万円で買った資産がいま150万円なら、その運用は年率何%だったのか(実績の年率換算)も同じ式で求まります。元金や年数を逆算したいときは元金逆算・経過年数の計算機を使い分けてください。
計算手順と数値例
例1:100万円を10年で150万円に、1年複利(初期値)
① 倍率を求める:FV ÷ PV = 1,500,000 ÷ 1,000,000 = 1.5
② 実質金利:1.51/10 − 1 = 0.04138 → 4.138%
③ 1年複利なので表面金利も 4.138%
例2:同じ条件を月複利で見た場合
期数は 10×12=120。1期あたりの利率は 1.51/120 − 1 = 0.003385 で、12倍した表面金利は 4.0615%。実質金利は例1と同じ 4.138% です。月複利の商品なら、表示利率(表面金利)が4.06%程度あれば目標に届く、という読み方になります。
例3:80万円で買った資産が5年後に100万円になった
倍率 1.25、実質金利 = 1.251/5 − 1 = 4.564%。「5年で25%増えた」を単純に5で割ると5%ですが、複利で年率に直すと4.564%と少し低くなります。
早見表:倍率と年数から見た必要な実質年利
| 目標倍率 \ 年数 | 5年 | 10年 | 15年 | 20年 | 30年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1.2倍 | 3.71% | 1.84% | 1.22% | 0.92% | 0.61% |
| 1.5倍 | 8.45% | 4.14% | 2.74% | 2.05% | 1.36% |
| 2倍 | 14.87% | 7.18% | 4.73% | 3.53% | 2.34% |
| 3倍 | 24.57% | 11.61% | 7.60% | 5.65% | 3.73% |
表の値は1年複利の実質年利(小数第3位を四捨五入)。元金の額に関係なく倍率だけで決まるため、10万円でも1,000万円でも同じ表が使えます。
計算結果の読み方
結果欄の「表面年利 r」は、選んだ複利周期で商品に表示される利率に相当します。金融機関の商品説明で「年0.3%(半年複利)」のように書かれている数字と比べるのはこちらです。「実質年利 R(APY)」は1年で実際に何%増えるかで、複利周期の異なる商品どうしを比べるときに使います。1年複利を選んでいる間は両方が同じ値になるので、月複利や半年複利の商品を検討するときだけ周期を切り替えて表面年利を確認する、という使い方で十分です。
算出された利回りが現実的かどうかは、金融庁の資産運用シミュレーションなどで長期の平均的な利回りの目安を確認しながら判断してください。目標倍率に対して必要利回りが高すぎる場合は、期間を延ばすか元金を増やす(元金逆算)方向で計画を見直します。
表面金利と実質金利の差はどれくらいか
例1と例2のとおり、同じ目標でも月複利なら表面金利は 4.0615%、1年複利なら 4.138% です。差は約0.08ポイントで、利率が高いほど、また複利回数が多いほど広がります。この差を専用に確かめたいときは表面金利・実質金利の変換計算機が便利です。
よくある間違い・注意点
- 元利合計が元金以下だと計算できない:FV が PV 以下の場合は結果が0%と表示されます。値下がりした資産の年率(マイナスの利回り)は本計算機の対象外です。
- 途中の値動きは反映されない:求まるのは「最初と最後の金額だけから見た平均的な年率」です。途中で大きく増減していても、始点と終点が同じなら同じ利回りになります。
- 手数料・税金は含まれない:実際に必要な商品の利回りは、購入時手数料や利息・分配金への課税を考えると、計算結果より高めに見ておく必要があります。
- 積立には使えない:毎月一定額を積み立てる場合の利回りは、入金のタイミングが分かれるため別の計算(内部収益率)が必要です。
- 利回りは目標であって保証ではない:算出された利回りを掲げる商品が、その利回りを将来も続ける保証はありません。投資判断はご自身でお願いします。
関連する計算機
- 表面金利・実質金利の変換:複利周期の違いによる利率の換算だけを行いたいとき
- 複利計算(経過年数):利率が決まっていて、目標額までの年数を知りたいとき
- 複利計算(元金逆算):利率と年数から、いま必要な元金を知りたいとき
- 単利の利率逆算:利息が元金にだけ付く単利で利率を求めたいとき