単利の利率逆算とは
この計算機は「元金 PV を預けて(借りて)、days 日後に元利合計 FV になった。その利率は年何%か」を単利で逆算します。 金額と期間は分かっているのに利率が書かれていない、あるいは書かれている利率が本当か確かめたい、という場面のための道具です。 利率の種類を選ぶと、年利(365日または360日)・月利・日歩のどの単位で答えを出すかを切り替えられます。
代表的な使い方は3つあります。①知人からの借入や分割払いで「10万円借りて1か月後に10万3,000円返す」と言われたとき、それが年利に直すと何%かを確かめる。 ②請求書や契約書に「日歩〇銭」「月〇%」と書かれた利率を、比較しやすい年利に換算する。 ③預金や貸付の実績(預けた額・受け取った額・日数)から、実際に適用された利率を確認する。 日数や元金のほうを知りたい場合は 経過日数の逆算・元金の逆算 をお使いください。
利率の逆算式
FV = PV × ( 1 + r × days/mode ) を r について解くと:
r = ( FV/PV − 1 ) × ( mode/days )
mode は金利種類に応じた基準日数(年365/年360/月30/日歩1)です。 ( FV/PV − 1 ) は「元金に対する利息の割合」、( mode/days ) は「その割合を基準期間1つ分に引き延ばす倍率」です。 計算結果には選んだ種類の利率のほかに、参考として「日歩(%/日)」と「年利365日換算」も表示します。 この2つは選んだ種類に関係なく ( FV/PV − 1 ) ÷ days をもとに計算しているので、単位の違う利率を比べる共通のものさしになります。
手計算の手順と検算例
- 元利合計を元金で割って1を引く(利息の割合)。
- 基準日数を経過日数で割る(引き延ばし倍率)。
- 1と2を掛けて100倍すると % になる。
例1(初期値):元金100万円・元利合計103万円・365日・年利(365日)。 103万 ÷ 100万 − 1 = 0.03。365 ÷ 365 = 1。0.03 × 1 = 0.03 → 年利3.000000%。日歩は 0.03 ÷ 365 = 0.008219%/日です。
例2(1か月の借入):10万円借りて30日後に10万3,000円返す。 10.3万 ÷ 10万 − 1 = 0.03。365 ÷ 30 = 12.1667。0.03 × 12.1667 = 0.365 → 年利36.5%。日歩は 0.03 ÷ 30 = 0.1%/日(日歩10銭)です。 「1か月で3%」は年に直すと36.5%で、後述する利息制限法の上限(元本10万円以上100万円未満は年18%)を大きく超えています。
例3(月利で表示):元金100万円・元利合計101万円・30日・金利種類「月利」。 0.01 × ( 30 ÷ 30 ) = 0.01 → 月利1%。同じ入力で「年利(365日)」を選ぶと 0.01 × ( 365 ÷ 30 ) = 12.1667% と表示されます。
早見表①:元金100万円・利息1万円のときの年利(365日基準)
| 経過日数 | 年利 | 日歩 |
|---|---|---|
| 30日 | 12.167% | 0.0333%/日(約3.3銭) |
| 60日 | 6.083% | 0.0167%/日 |
| 90日 | 4.056% | 0.0111%/日 |
| 180日 | 2.028% | 0.0056%/日 |
| 365日 | 1.000% | 0.0027%/日 |
同じ「利息1万円」でも、30日で付いたのか1年で付いたのかで年利は12倍違います。 利息の金額だけを見て高い・安いを判断せず、必ず日数とセットで年利に直すのがこの計算機の使いどころです。
早見表②:日歩と年利の換算(365日換算)
| 日歩 | 1日あたり | 年利換算 |
|---|---|---|
| 1銭 | 0.01% | 3.65% |
| 2銭 | 0.02% | 7.30% |
| 3銭 | 0.03% | 10.95% |
| 4銭 | 0.04% | 14.60% |
| 5銭 | 0.05% | 18.25% |
| 8銭 | 0.08% | 29.20% |
日歩(ひぶ)は「元金100円に対する1日分の利息を銭で表したもの」で、1銭 = 0.01%/日です。年利に直すには365を掛けます。 日歩4銭を超えると年利14.6%、5銭で18.25%になり、次に述べる利息制限法の上限と重なる水準です。
逆算した利率をどう見るか:法定利率と利息制限法
逆算した年利が妥当かを判断する目安として、次の2つの公的な基準があります。法定利率は民法第404条で年3%と定められ、3年ごとに見直されます。利率の取り決めがない貸し借りや遅延損害金の計算に使われます。利息制限法は貸金の利息の上限を定めた法律で、元本10万円未満は年20%、10万円以上100万円未満は年18%、100万円以上は年15%が上限です(金融庁の説明ページより)。 この計算機で出した年利がこの上限を超えている場合、超過部分の利息は法律上無効とされる可能性があります。 個別の契約の有効性については弁護士などの専門家にご相談ください。
よくある間違い・注意点
- 「年利」の欄に月利や日歩の答えを期待してしまう:メインの表示は選んだ金利種類の利率です。 例3のように同じ入力でも「月利」なら1%、「年利(365日)」なら12.1667%と表示が変わります。比較には参考欄の「年利365日換算」を使ってください。
- 複利で増えた金額を単利で逆算する:1年を超えて複利運用された結果から年利を逆算すると、実際より高い利率が出ます。 長期の運用実績には 複利の利率逆算 を使ってください。
- 手数料込みの返済額を入れていない:借入の実質的な負担率を知りたいなら、FV には利息だけでなく事務手数料や保証料を含めた総支払額を入れます。 利息だけで計算すると実質年率を低く見積もることになります。
- 365日と360日:同じ100万円→103万円・365日でも、360日基準を選ぶと 0.03 × ( 360 ÷ 365 ) = 2.9589% と表示されます。 契約書に基準日数が書かれていない国内取引では365日基準が一般的です。
- 元利合計が元金以下:FV ≦ PV だと利率は0%以下になり、計算機は0を表示します。損失が出た場合の「マイナスの利率」は扱いません。
関連する計算機
- 単利計算機(元利合計):元金・利率・日数から元利合計を求める基本形
- 単利計算(経過日数):目標額に達するまでの日数を逆算する
- 単利計算(元金逆算):元利合計と日数から必要元金を逆算する
- 金利変換(表面 ⇔ 実質):表面利率と実質年率を相互に換算する