経過年数の計算式
FV = PV × (1 + r/k)n×k を n について解くと:
n = ln(FV/PV) ÷ ( k × ln(1 + r/k) )
72の法則との比較
「資産が2倍になる年数 ≒ 72 ÷ 年利率(%)」というのが72の法則。たとえば年利6%なら72/6 = 12年。本計算機は対数を使った正確な値を算出します。
本計算機の「72の法則」欄は、2倍以外の目標にも使えるよう 72 ÷ 年利率(%) × log2(FV ÷ PV) で計算しています。目標が2倍なら log22 = 1 で通常の72の法則、4倍なら log24 = 2 で「2倍になる年数の2倍」という考え方です。
このページの使いどころ
利率と元金、目標額が決まっていて「あと何年で届くか」を知りたいときの計算機です。「年3%で運用したら1,000万円が2,000万円になるのは何年後か」「この預金で目標の頭金に届くのは何か月後か」といった見積もりに向いています。年数ではなく利率を求めたいなら利率逆算、元金を求めたいなら元金逆算を使ってください。
計算手順と数値例
例1:100万円を200万円に、年利3%、1年複利(初期値)
① 倍率:FV ÷ PV = 2
② 分子:ln 2 = 0.693147
③ 分母:k × ln(1 + r/k) = 1 × ln 1.03 = 0.029559
④ 年数:0.693147 ÷ 0.029559 = 23.45年(281.4か月)
72の法則では 72 ÷ 3 = 24年。正確な値より約0.55年長めに出ます。
例2:同じ条件で月複利
分母は 12 × ln(1 + 0.03/12) = 12 × 0.0024969 = 0.029963。年数は 0.693147 ÷ 0.029963 = 23.13年(277.6か月)。月複利にすると約4か月早く2倍に届きます。
例3:100万円を150万円に、年利5%
ln 1.5 ÷ ln 1.05 = 0.405465 ÷ 0.048790 = 8.31年(99.7か月)。72の法則の欄は 72 ÷ 5 × log21.5 = 14.4 × 0.585 = 8.42年と表示されます。
早見表:資産が2倍になる年数(正確な値と72の法則)
| 年利率 | 正確な年数(1年複利) | 72の法則 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1% | 69.66年 | 72.0年 | +2.34年 |
| 2% | 35.00年 | 36.0年 | +1.00年 |
| 3% | 23.45年 | 24.0年 | +0.55年 |
| 4% | 17.67年 | 18.0年 | +0.33年 |
| 5% | 14.21年 | 14.4年 | +0.19年 |
| 6% | 11.90年 | 12.0年 | +0.10年 |
| 8% | 9.01年 | 9.0年 | −0.01年 |
| 10% | 7.27年 | 7.2年 | −0.07年 |
72の法則は年利8%前後で最も正確で、利率が低いほど長め、高いほど短めにずれます。年利1〜2%の預金で使うと1〜2年ずれる点に注意してください。
計算結果の読み方
結果欄の「必要年数」が対数で求めた正確な値、「必要月数(年×12)」はそれを月に直したものです。定期預金の満期や積立の目標時期を月単位で考えるときは月数のほうが使いやすいでしょう。「72の法則」欄は暗算用の近似値なので、両者の差を見れば「72の法則がこの利率でどれだけずれるか」がその場で分かります。
早見表:目標倍率別の必要年数(1年複利)
| 年利率 \ 目標 | 1.5倍 | 2倍 | 3倍 |
|---|---|---|---|
| 1% | 40.75年 | 69.66年 | 110.41年 |
| 2% | 20.48年 | 35.00年 | 55.48年 |
| 3% | 13.72年 | 23.45年 | 37.17年 |
| 5% | 8.31年 | 14.21年 | 22.52年 |
| 8% | 5.27年 | 9.01年 | 14.27年 |
| 10% | 4.25年 | 7.27年 | 11.53年 |
倍率が 1.5倍 → 3倍 と2倍になっても、年数は2倍にはなりません(2倍になる年数と1.5倍になる年数を足した値が3倍になる年数です)。
早見表:複利周期別に見た2倍になる年数
同じ年利率でも、利息を元金に組み入れる回数(複利周期 k)が多いほど年数は短くなります。本計算機の「複利周期」の選択肢に対応した値です。
| 年利率 | 1年複利 | 半年複利 | 四半期複利 | 月複利 |
|---|---|---|---|---|
| 1% | 69.66年 | 69.49年 | 69.40年 | 69.34年 |
| 2% | 35.00年 | 34.83年 | 34.74年 | 34.69年 |
| 3% | 23.45年 | 23.28年 | 23.19年 | 23.13年 |
| 5% | 14.21年 | 14.04年 | 13.95年 | 13.89年 |
| 8% | 9.01年 | 8.84年 | 8.75年 | 8.69年 |
周期を細かくしても短縮効果には限りがあり、月複利からさらに細かくしても年利3%では23.10年(連続複利、ln 2 ÷ 0.03)までしか縮まりません。周期の違いより、利率そのものの差のほうが年数に大きく効きます。
税金と物価上昇を織り込んだ年数
預金や債券の利息には、受け取るときに20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%+住民税5%)の税金がかかります。税引後の利率で計算すると、年利3%は 3% × (1 − 0.20315) = 2.39%(2.39055%)になり、2倍になる年数は ln 2 ÷ ln 1.0239055 = 29.34年です。税引前の23.45年より約6年長くかかります。手取りベースで目標に届く時期を知りたいときは、税引後の利率を入力してください。
物価が年2%上がる状況では、年利3%の運用で「買えるものの量」が2倍になるまでの実質利率は (1.03 ÷ 1.02) − 1 = 0.98%です。この利率で計算すると2倍に達するのは71.05年後で、名目の23.45年とはまったく違う答えになります。老後資金など長期の目標では、名目と実質のどちらで考えているかを最初に決めてから計算機を使うことをおすすめします。
2倍以外の目標の場合
3倍にしたい場合の正確な年数は、年利3%で 37.17年、5%で 22.52年、8%で 14.27年です(本計算機の72の法則欄はそれぞれ 38.04年・22.82年・14.26年)。1.5倍なら年利3%で 13.72年、10倍なら年利5%で 47.19年かかります。「2倍になる年数の2倍で4倍」のように、倍率が掛け算で増えるとき年数は足し算で増えるのが複利の性質です。
よくある間違い・注意点
- 年数は小数で表示される:「23.45年」は理論上の到達時点です。実際の預金・債券は利息が付くタイミングが決まっているため、途中の年に解約すると端数の期間分の利息は付かないことがあります。
- 年利率は「%」の数字で入力する:3%なら「3」。「0.03」と入れると年利0.03%となり、年数が数千年と表示されます。
- 目標額が元金以下だと計算できない:すでに目標に達しているため0と表示されます。
- 物価上昇を忘れない:23年後の200万円は今の200万円と同じ価値ではありません。「実質的に2倍」にしたいなら、利率から物価上昇率を差し引いた値を入力する方法があります。インフレ換算計算機で過去の物価変動を確認できます。
- 利回りは保証されない:算出した年数は入力した利率が毎年続く前提です。投資判断はご自身でお願いします。
- 毎月の積立には使えない:この計算機は「最初に元金を一度だけ預ける」前提です。毎月積み立てる場合は元金が途中で増えていくため、同じ利率でも目標に届く年数は短くなります。積立は別の式(年金終価係数)で計算する必要があります。
- 2倍以外の目標は倍率で入力する:300万円を500万円にしたいなら PV に3,000,000、FV に5,000,000 と入れます。年利3%・1年複利なら ln(5÷3) ÷ ln 1.03 = 0.510826 ÷ 0.029559 = 17.28年(207.4か月)です。「2倍の年数23.45年に届くまでの途中」ではなく、倍率1.667倍に対応する年数として直接求まります。
- 低金利では年数が現実離れする:年利0.2%で2倍にするには346.9年かかります。この計算機の答えが数百年になった場合は、利率の入力が「%」の数字になっているか(0.2%なら「0.2」)を確認したうえで、その利率では複利の効果がほとんど期待できないと読み取ってください。
関連する計算機
- 複利計算(利率逆算):年数のほうが決まっていて、必要な利回りを知りたいとき
- 複利計算(元金逆算):年数と利率から、いま必要な元金を知りたいとき
- 終価係数計算機:年ごとに何倍になるかを表で確認したいとき
- 複利と単利の比較:単利だと何年かかるかと比べたいとき