インフレ率とCPIについて
消費者物価指数(CPI: Consumer Price Index)は、家計の購入する財・サービス全般の価格変動を測定する代表的な指標です。総務省統計局が毎月公表しています。
計算式
換算金額 = 元金額 × (終了年CPI ÷ 開始年CPI)
累計変動率 = (終了年CPI − 開始年CPI) ÷ 開始年CPI × 100
年率(複利) = (終了年CPI ÷ 開始年CPI)1/n − 1
日本のインフレ史
- 1973-74年:第1次オイルショックで「狂乱物価」、年率23%超
- 1980年代後半:バブル期だが物価は比較的安定(年1-3%)
- 1990年代後半〜2010年代前半:デフレ局面(CPI低下傾向)
- 2022年〜:エネルギー・食料品中心の輸入インフレ(年3%前後)
このページの使いどころ
「1990年の1万円は今のいくらに当たるか」のように、過去の金額を別の年の物価水準に置き換えるための計算機です。昔の給料や物の値段を今の感覚で捉え直す、長く持っている預金がどれだけ目減りしたかを見る、将来の目標額を物価上昇込みで見積もる、といった場面で使えます。給与に特化した比較(現在の年収と並べて乖離率を出す)は給与のインフレ調整計算機、将来の物価を「年率○%」の仮定で伸ばす計算は終価係数計算機が向いています。
計算手順と数値例
例1:1990年の1万円を2024年の物価に換算(初期値)
① 1990年のCPI 89.6、2024年のCPI 108.5 を表から取り出す
② 換算金額:10,000 × 108.5 ÷ 89.6 = 12,109円
③ 累計変動率:(108.5 − 89.6) ÷ 89.6 × 100 = 21.09%
④ 年率換算:(108.5 ÷ 89.6)1/34 − 1 = 0.565%(34年間の複利平均)
例2:1970年の1万円を2024年に換算
CPI は 31.5 → 108.5。換算金額 34,444円、累計 244.44%、年率 2.317%。1970年代前半の物価上昇が大きく効いています。
例3:2020年の1万円を2025年に換算
CPI は 100.0 → 111.9。換算金額 11,190円、累計 11.9%、年率 2.274%。わずか5年で例1(34年間)の半分以上の上昇幅になっており、近年の物価上昇の速さが分かります。
早見表:過去の1万円は2025年のいくらか
| 開始年(CPI) | 2025年換算額 | 累計変動率 | 年率換算 |
|---|---|---|---|
| 1970年(31.5) | 35,524円 | 255.24% | 2.332% |
| 1980年(73.5) | 15,224円 | 52.24% | 0.938% |
| 1990年(89.6) | 12,489円 | 24.89% | 0.637% |
| 2000年(97.3) | 11,501円 | 15.01% | 0.561% |
| 2010年(94.8) | 11,804円 | 18.04% | 1.112% |
| 2015年(98.2) | 11,395円 | 13.95% | 1.315% |
| 2020年(100.0) | 11,190円 | 11.90% | 2.274% |
| 2022年(102.3) | 10,938円 | 9.38% | 3.035% |
2025年のCPI(総合・年平均・2020年基準)は 111.9。2000年より2010年のほうが換算額が大きいのは、2000年代にCPIが下がった(デフレ)ためです。
最新の公表値
総務省統計局の公表によると、2025年平均の消費者物価指数(2020年=100)は総合指数 111.9 で前年比 3.2%上昇、生鮮食品を除く総合は 3.1%上昇、生鮮食品及びエネルギーを除く総合は 3.0%上昇でした。本計算機の表からそのまま計算すると 111.9 ÷ 108.5 − 1 = 3.13% となり、公表値とわずかに異なります。統計局は四捨五入前の指数で前年比を計算するためで、本計算機の年率は小数第1位程度の目安として読んでください。
よくある間違い・注意点
- 「今の1万円は昔のいくら」は逆方向に入力する:2024年の1万円が1990年のいくらに当たるかは、開始年2024・終了年1990 と入れれば 10,000 × 89.6 ÷ 108.5 = 8,258円と出ます。
- 年平均どうしの比較:1月と12月で物価が大きく動いた年でも、年平均の1つの値で代表しています。月単位の厳密な換算には統計局の月次データが必要です。
- 自分の生活実感とはずれることがある:CPIは家計全体の平均的な買い物かごで計算した指数で、持家の帰属家賃も含みます。食料品やエネルギーの比重が大きい家計では、体感の上昇率のほうが高くなりがちです。
- 賃金や金利の上昇は含まれない:出てくるのは「同じ物を買うのに必要な金額」だけです。給与が物価に追いついているかは給与のインフレ調整計算機で確認してください。
- 将来の年は入力できない:2026年以降は指数が確定していないため選べません。将来の見積もりは想定する年率を決めて終価係数計算機で伸ばします。
関連する計算機
- 給与のインフレ調整計算機:過去の年収を今の購買力に直し、現在の年収と比べる
- 終価係数計算機:想定インフレ率で将来の物価水準を試算する
- 複利計算(元金逆算):物価上昇込みの目標額から必要な元金を逆算する
- 複利計算(経過年数):物価が2倍になるまでの年数を年率から求める