単利の経過日数計算とは
単利(たんり)とは、最初に預けた・借りた元金に対してだけ利息が付き、利息に利息が付かない計算方式です。 この計算機は「元金 PV を利率 r で運用(または借入)したとき、元利合計が目標額 FV に達するまでに何日かかるか」を逆算します。 利率と金額が決まっているのに「期間」だけが分からない、という場面のための道具です。
使う場面の例は次の3つです。①定期預金や個人向け国債などで「利息が1万円貯まるまで何日か」を知りたいとき。 ②友人・親族間の貸し借りや事業の立替金で「利息が一定額に膨らむまでの猶予」を確認したいとき。 ③遅延損害金のように単利の日割りで増えるお金について「何日で〇円になるか」の見当を付けたいとき。 元利合計ではなく利息だけを出したいときは 単利計算機(元利合計) を、逆に日数が決まっていて元金や利率を知りたいときは元金逆算・利率逆算 をお使いください。
経過日数の逆算式
単利の基本式 FV = PV × ( 1 + r × days/mode ) を days について解くと:
days = ( FV/PV − 1 ) × ( mode/r )
mode は金利種類ごとの基準日数(年利365日 → 365、年利360日 → 360、月利 → 30、日歩 → 1)、r は利率を小数にした値(3% → 0.03)です。 式の前半 ( FV/PV − 1 ) は「元金に対して利息が何割必要か」、後半 ( mode/r ) は「利息1割分を稼ぐのに何日かかるか」を表しています。 この2つの掛け算で必要日数が出る、と覚えると手計算でも迷いません。
手計算の手順と検算例
- 目標額を元金で割り、1を引く(利息の割合を出す)。
- 基準日数を利率(小数)で割る(1割あたりの日数を出す)。
- 1と2を掛ける。
例1(初期値):元金100万円・目標103万円・年利3%(365日)。 103万 ÷ 100万 − 1 = 0.03。365 ÷ 0.03 = 12,166.67。0.03 × 12,166.67 = 365日(ちょうど1年)。
例2(借入の利息が2万円になるまで):元金50万円・目標52万円・年利12%。 52万 ÷ 50万 − 1 = 0.04。365 ÷ 0.12 = 3,041.67。0.04 × 3,041.67 = 121.67日。約4か月で利息が2万円に達します。
例3(月利):月利1%・元金100万円・目標103万円。mode は30なので 0.03 × ( 30 ÷ 0.01 ) = 0.03 × 3,000 = 90日(3か月)。 月利は「30日で1%」という意味なので、3%分なら3か月、という直感どおりの答えになります。
早見表①:元金100万円が103万円に達するまでの日数(年利365日)
| 年利 | 必要日数 | 年数換算 |
|---|---|---|
| 0.5% | 2,190.0日 | 6.0年 |
| 1% | 1,095.0日 | 3.0年 |
| 2% | 547.5日 | 1.5年 |
| 3% | 365.0日 | 1.0年 |
| 5% | 219.0日 | 0.6年 |
| 10% | 109.5日 | 0.3年 |
| 15% | 73.0日 | 0.2年 |
| 18% | 60.8日 | 0.17年 |
利率が2倍になると日数はちょうど半分になります(単利は利率と日数が反比例)。年利が0.5%と18%では同じ3%の利息を得るのに36倍の期間差が生まれます。
早見表②:年利5%・元金100万円で目標額ごとの日数
| 目標 FV | 利息の割合 | 必要日数 | 年数換算 |
|---|---|---|---|
| 101万円 | 1% | 73日 | 0.2年 |
| 103万円 | 3% | 219日 | 0.6年 |
| 105万円 | 5% | 365日 | 1.0年 |
| 110万円 | 10% | 730日 | 2.0年 |
| 120万円 | 20% | 1,460日 | 4.0年 |
| 150万円 | 50% | 3,650日 | 10.0年 |
| 200万円 | 100% | 7,300日 | 20.0年 |
単利では「利息の割合」と「日数」が比例するため、目標が2倍遠くなれば日数もきっかり2倍です。 複利なら利息にも利息が付くので、年利5%で元金が2倍になるのは約14.2年(単利は20年)と、長期ほど差が開きます。 長期の資産形成を考えるときは 複利と単利の比較計算機 で両者を並べてみてください。
よくある間違い・注意点
- 365日と360日の取り違え:同じ年利5%で100万円→110万円でも、365日基準なら730日、360日基準なら720日です。 国内の預金や貸付は365日基準が一般的で、360日基準は一部の外貨取引・金融商品で使われます。約款で確認しましょう。
- 税引き後を考えていない:預貯金の利息には所得税・復興特別所得税15.315%と住民税5%(合計20.315%)が源泉徴収されます。 手取りで目標額に到達させたい場合は、利率に ( 1 − 0.20315 ) を掛けた「税引き後利率」を入力してください(年利3%なら約2.39%)。
- 目標額が元金以下:FV ≦ PV のときは利息が不要なので、計算機は0日を表示します。利率が0%のときも計算できません。
- 金融機関の端数処理:実際の利息は円未満切り捨て、日数は「片端入れ(初日を含めず最終日を含める)」など個別の規定があります。 この計算機は端数処理をしない理論値なので、小数の日数は「切り上げて翌日」と読むのが安全です。
- 単利で長期を見積もる:1年を超える預け入れや投資信託の運用は複利で増えることが多く、単利で計算すると必要日数を長めに見積もることになります。
入力欄の使い方
「金利種類」は利率をどの期間あたりで表しているかの選択です。銀行の預金金利や貸付金利は年利(365日)、契約書に「月〇%」とあれば月利、「日歩〇銭」とあれば日歩を選びます。 利率の欄には % の数字だけを入れます(3% → 3、日歩5銭 → 0.05)。元金 PV と目標 FV は円単位で、カンマ入りでも読み取れます。 結果の「必要日数」は小数で表示されるので、実務では切り上げて「翌日以降」と読んでください。 必要日数が決まっているときに利息額を知りたい場合は、逆に 単利計算機(元利合計) に日数を入れれば、この計算機と同じ式で FV が出ます(例1なら365日で103万円に戻ります)。
関連する計算機
- 単利計算機(元利合計):元金・利率・日数から利息と元利合計を求める基本形
- 単利計算(元金逆算):目標額と日数から必要な元金を求める
- 単利計算(利率逆算):元金・元利合計・日数から利率を求める
- 複利と単利の比較計算機:同じ条件で複利と単利の差を確認する