複利とは
複利(ふくり)は、得られた利息を元金に組み入れて、その合計に対してさらに利息を計算する方式です。 一定期間ごとに「元金が膨らんでいく」ため、長期になるほど効果が大きくなります。アインシュタインが「人類最大の発明」と呼んだとも言われる、資産運用の基本原理です。
このページの計算機でできること
このページの計算機は、最初に預けた(投資した)一括の元金が、年利と期間、複利の周期(年・半年・四半期・月)に応じて何円に育つかを計算します。結果には元利合計と利息合計に加えて、周期ごとの「期利」(1期あたりの利率)と総期数を表示し、「残高推移を表示」を押すと期末ごとの残高・当期利息・累計利息の一覧が見られます。
使う場面は、定期預金の満期額の確認、退職金や相続で受け取った一時金を一定の利回りで運用したときの将来額の見積もり、金利の違う2つの商品を同じ期間で比べるときなどです。毎月コツコツ積み立てるタイプの試算は式が異なるため、後述の「積立との違い」を参照してください。
手計算の例:元金100万円・年利5%・10年(年複利)
- 期利 = 5% ÷ 1回 = 5%(0.05)、N = 10年 × 1回 = 10期
- (1+0.05)10 = 約1.6289
- 元利合計 = 100万円 × 1.6289 = 約1,628,895円、利息合計 = 約628,895円
残高推移で見ると、1年目の利息は「100万円 × 5% = 50,000円」、2年目は利息を組み入れた105万円に5%がつくので「52,500円」と、年を追うごとに利息そのものが増えていきます。10年目の利息は約77,566円で、1年目の1.55倍です。
同じ条件を月複利にすると、期利は「5% ÷ 12 = 約0.4167%」、N = 120期で、元利合計は「100万円 × (1+0.004167)120 = 約1,647,009円」。年複利より約18,115円多くなります。これが下の「複利周期による違い」の表の数字です。
年利×期間の早見表(元金100万円・年複利)
元金100万円を年複利で運用したときの元利合計です。元金が違う場合は比例するので、500万円なら表の5倍で読み替えられます。年利3%と7%を比べると、10年後の元利合計の差は約1.5倍ですが、30年後は約3.1倍に開くのが複利の特徴です。
| 年利 | 10年後 | 20年後 | 30年後 |
|---|---|---|---|
| 1% | 1,104,622円 | 1,220,190円 | 1,347,849円 |
| 3% | 1,343,916円 | 1,806,111円 | 2,427,262円 |
| 5% | 1,628,895円 | 2,653,298円 | 4,321,942円 |
| 7% | 1,967,151円 | 3,869,684円 | 7,612,255円 |
※ 本ページの計算機と同じ式(元金 × (1+年利)年数)で算出。税金・手数料は考慮していません。
単利との違い
単利は元金にのみ利息がつく方式(利息合計 = 元金 × 年利 × 年数)。複利は利息にも利息がつくため、長期では大きな差になります。
| 期間 | 単利 | 複利(年) | 差 |
|---|---|---|---|
| 10年 | 1,500,000 | 1,628,895 | +128,895 |
| 20年 | 2,000,000 | 2,653,298 | +653,298 |
| 30年 | 2,500,000 | 4,321,942 | +1,821,942 |
| 40年 | 3,000,000 | 7,039,989 | +4,039,989 |
※ 元金100万円・年利5% で比較した場合の元利合計
72の法則
複利での「お金が2倍になる年数」を簡単に求める法則です。
あくまで暗算用の近似です。正確に2倍になる年数は「log 2 ÷ log(1+年利)」で求まり、年利3%なら23.4年、5%なら14.2年、7%なら10.2年。72の法則との差は1年未満なので、投資期間の当たりを付ける用途には十分です。逆に「10年で2倍にしたい」なら72 ÷ 10 = 年利7.2%前後が必要、と逆算にも使えます。厳密な年数は複利計算(経過年数)で求められます。
複利周期による違い
同じ年利でも、複利の頻度が高いほど元利合計は大きくなります。これを「複利効果」と呼びます。
| 複利周期 | 10年後の元利合計 | 実質年利 |
|---|---|---|
| 年複利(k=1) | 1,628,895 | 5.000% |
| 半年複利(k=2) | 1,638,616 | 5.063% |
| 四半期複利(k=4) | 1,643,619 | 5.095% |
| 月複利(k=12) | 1,647,009 | 5.116% |
※ 元金100万円・年利5%・10年
長期投資と複利の威力
投資信託・株式・債券などの長期運用では、複利の力が特に重要です。S&P500のような株価指数は過去30年で年平均7〜10%程度のリターンがありました(あくまで過去実績で将来を保証するものではありません)。
毎月3万円を年5%で30年間積み立てた場合、元本1,080万円が約2,496万円になります(積立部分は別途、年金終価係数で計算)。「早く始めて長く続ける」が複利運用の鉄則です。
一括運用と積立の違い
このページの式「元金 × (1+期利)N」は、最初に1回だけ元金を入れる前提です。毎月一定額を積み立てる場合は、1回目の積立は全期間、最後の積立はほぼ0期しか運用されないため、次の「年金終価」の式を使います。
例えば毎月3万円・年利5%(月利約0.4167%)・30年(360か月)なら、「3万円 × (1.004167360 − 1) ÷ 0.004167 = 約2,497万円」。同じ1,080万円を初日に一括で入れられた場合は「1,080万円 × 1.0530 = 約4,668万円」と大きく違います。積立は元本が少しずつしか増えないぶん、一括より複利の効き方が穏やかになる、と覚えておくと結果の見方を間違えません。積立の試算は金融庁の「つみたてシミュレーター」(出典欄にリンク)で、将来額・毎月の積立額・必要年数の3つの向きから計算できます。
NISA・iDeCoとの相性
複利運用では「税金で増えた利息が削られる」のが大きな機会損失です。日本の課税口座では運用益に約20%課税されますが、NISA・iDeCo は非課税枠を使えるため、複利効果がそのまま残ります。
- 新NISA(2024〜): つみたて投資枠120万円/年、成長投資枠240万円/年、生涯1,800万円まで非課税
- iDeCo: 運用益非課税 + 拠出額が所得控除(節税効果も大)
- 長期になるほど課税口座との差が大きくなる(30年後で数百万円〜数千万円規模)
注意事項とリスク
- 投資の利回りは変動します。本シミュレーターは固定利率での試算で、実際の投資結果を保証しません
- インフレを考慮すると実質利回りは表示より低くなります(例: 名目5% − インフレ2% = 実質3%)
- 税金: 課税口座では運用益に20.315%(所得税15.315% + 住民税5%)の税金がかかります
- 手数料: 投資信託の信託報酬・売買手数料などで実利回りは下がります
- 銀行の定期預金などは金利が低く、複利効果を体感しにくい場合があります
よくある間違い・注意点
- 「年利」と「実効年利」を区別:月複利の場合、表面年利5%でも実効年利は約5.12%になります。長期では差が大きくなります。
- 税金は計算外:投資信託・株式の運用益には20.315%の税金がかかります。実際の手取りは計算結果より少なくなります(NISA枠は非課税)。
- インフレを考慮しない:本計算は名目利回り。インフレ率(年2%等)を引いた実質利回りで考えると将来購買力は変わります。
- 複利の効果は時間が決める:100万円を年利5%で30年運用すると約432万円。短期投資ではほぼ単利と変わりません。
よくある質問(FAQ)
Q. 月複利と年複利、どちらで計算するのが正しい?
Q. 積立投資(毎月一定額)の試算もできますか?
Q. 「72の法則」とは?
Q. NISAやiDeCoの試算には使えますか?
Q. 期間に「1.5年」のような小数は入れられますか?
Q. 計算結果に税金は含まれていますか?
Q. 入力データはどこに保存されますか?
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⚠ 出典・投資判断にあたっての注意
出典: 金融庁「NISA特設サイト」、国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト」、金融庁「つみたてシミュレーター」。 本ツールは複利の理論計算であり、特定の金融商品の利回りを保証するものではありません。具体的な投資判断はご自身の責任で、必要に応じてファイナンシャルプランナー等の専門家にご相談ください。
最終更新日: 2026年9月25日
変更履歴
- 2026年9月25日: 解説・具体例・FAQを追加
- 2026/05/08 — FAQ拡充、注意点・出典リンク追加
- 初版公開