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配当から引かれた20.315%、確定申告で戻る場合があります
配当は確定申告で総合課税・申告分離課税を選ぶことで、源泉徴収された税金が還付される場合があります。どの方式が有利かの判断や申告の依頼は、税理士に無料で相談・紹介してもらえます。
税理士ドットコムで無料相談する →配当金の源泉徴収とは
上場株式や投資信託から受け取る配当金には、支払い時に自動で税金が差し引かれる「源泉徴収」が適用されます。 口座に入金される金額は「税引き後(手取り)」で、配当総額(源泉前)から所得税・復興特別所得税・住民税が引かれた残額です。
税率(平成26年〜令和19年)
| 区分 | 所得税 | 復興 | 住民税 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 個人 上場(非大口) | 15% | 0.315% | 5% | 20.315% |
| 個人 上場大口/未上場 | 20% | 0.42% | 0% | 20.42% |
| 法人 上場(非大口) | 15% | 0.315% | 0% | 15.315% |
| 法人 上場大口/未上場 | 20% | 0.42% | 0% | 20.42% |
※ 復興特別所得税は「所得税 × 2.1%」で計算(令和19年12月31日まで)
大口株主とは
上場会社の発行済株式の3%以上を保有する個人株主が「大口株主」とされます。大口株主への配当は住民税が源泉徴収されず、所得税20%(+復興0.42%)= 20.42%の源泉となり、確定申告で総合課税の対象になります。
確定申告の選択肢(個人)
上場株式の配当(非大口)は、源泉徴収のみで完結する「申告不要」が選べます。状況次第で以下の3つから有利な方を選択できます。
- 申告不要: 源泉徴収(20.315%)で完結。確定申告しない
- 申告分離課税: 株式譲渡損と損益通算が可能。所得税15.315% + 住民税5%
- 総合課税: 給与等と合算(累進課税)。配当控除あり。所得が低い人は有利になる場合も
所得税と住民税で別々の課税方式を選ぶ「異なる課税方式」は、令和5年(2023年)分以降は廃止されています。
NISA口座の配当
NISA口座(つみたて・成長投資枠)で受け取る配当金は、非課税です(source-of-fund 経由かつ「株式数比例配分方式」を選択している場合)。確定申告も不要。配当総額がそのまま入金されます。
具体例
例: 個人で上場株(非大口)から100,000円が口座に入金された場合
- 配当総額(源泉前): 100,000 ÷ (1 − 0.20315) ≒ 125,494円
- 所得税: 125,494 × 15% ≒ 18,824円
- 復興特別所得税: 125,494 × 0.315% ≒ 395円
- 住民税: 125,494 × 5% ≒ 6,275円
- 税合計: 25,494円
計算式と手順(手取りから総額を逆算する)
証券会社の明細や通帳に載るのは「税引き後の入金額」だけ、というケースがよくあります。この計算機は次の式で、入金額から源泉徴収前の配当総額と税額の内訳を求めています。
- 配当総額 = 入金額 ÷ (1 − 税率合計)
- 所得税 = 配当総額 × 15%(大口・未上場は20%)
- 復興特別所得税 = 所得税 × 2.1%(配当総額の0.315%、大口・未上場は0.42%)
- 住民税 = 配当総額 × 5%(個人の上場・非大口のみ。法人・大口・未上場は0%)
- 税合計 = 配当総額 − 入金額
逆に「配当総額が分かっていて手取りを知りたい」ときは、配当総額 × (1 − 0.20315)で求められます。配当総額100,000円なら、所得税15,000円・復興特別所得税315円・住民税5,000円の合計20,315円が引かれ、手取りは79,685円です。
例2: 個人が未上場会社(または上場会社の大口株主として)から100,000円を受け取った場合(税率合計20.42%)
- 配当総額: 100,000 ÷ (1 − 0.2042) ≒ 125,660円
- 所得税: 125,660 × 20% ≒ 25,132円、復興特別所得税: 125,660 × 0.42% ≒ 528円
- 住民税: 源泉徴収なし(0円)。総合課税として確定申告し、住民税は翌年度に課税されます
- 税合計: 25,660円
例3: 法人が上場株(非大口)から100,000円を受け取った場合(税率合計15.315%)は、配当総額 100,000 ÷ (1 − 0.15315) ≒ 118,085円、所得税17,713円・復興特別所得税372円の合計18,085円が源泉徴収されています。法人には住民税(配当割)の源泉徴収がないため、個人より手取り率が高くなります。
入金額別 早見表(個人・上場株・非大口 20.315%)
最も多いパターン(個人が特定口座・一般口座で上場株式の配当を受け取った場合)の早見表です。端数は円未満を四捨五入しているため、実際の明細とは1円程度ずれることがあります。
| 入金額(手取り) | 配当総額 | 所得税15% | 復興0.315% | 住民税5% | 税合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 10,000円 | 12,549円 | 1,882円 | 40円 | 627円 | 2,549円 |
| 30,000円 | 37,648円 | 5,647円 | 119円 | 1,882円 | 7,648円 |
| 50,000円 | 62,747円 | 9,412円 | 198円 | 3,137円 | 12,747円 |
| 100,000円 | 125,494円 | 18,824円 | 395円 | 6,275円 | 25,494円 |
| 200,000円 | 250,988円 | 37,648円 | 791円 | 12,549円 | 50,988円 |
| 300,000円 | 376,482円 | 56,472円 | 1,186円 | 18,824円 | 76,482円 |
| 500,000円 | 627,471円 | 94,121円 | 1,977円 | 31,374円 | 127,471円 |
| 1,000,000円 | 1,254,941円 | 188,241円 | 3,953円 | 62,747円 | 254,941円 |
総合課税・申告分離課税・申告不要の比較
上場株式(非大口)の配当は、確定申告するかどうか、申告するならどの方式にするかを自分で選べます。3つの方式の違いを表にまとめました。
| 項目 | 申告不要 | 申告分離課税 | 総合課税 |
|---|---|---|---|
| 所得税率 | 15.315%(源泉のまま) | 15.315% | 5〜45%の累進税率(給与等と合算) |
| 住民税率 | 5%(源泉のまま) | 5% | 10%(所得割) |
| 配当控除 | なし | なし | あり(課税総所得1,000万円以下の部分は配当所得の10%を所得税額から控除) |
| 株式の譲渡損との損益通算 | 不可(源泉徴収あり特定口座内の自動通算を除く) | 可能 | 不可 |
| 向いている人 | 手間をかけたくない人・所得が高い人 | 同じ年に株式の売却損がある人 | 所得税率が低い人(配当控除で実質税率が下がる) |
| 合計所得金額への影響 | 含まれない | 含まれる | 含まれる |
総合課税を選んだときの所得税の実質負担は「(適用税率 − 配当控除10%)× 1.021(復興特別所得税分)」です。国税庁の速算表(No.2260)の税率で計算すると、課税所得が330万円以下(税率10%以下)なら所得税の実質負担は0%、330万円超695万円以下(税率20%)なら10.21%、695万円超900万円以下(税率23%)なら13.273%となり、申告分離の15.315%と比べて課税所得695万円以下までは所得税だけを見れば総合課税が有利になります。ただし住民税は総合課税で10%(配当控除後でも5%より高くなるのが一般的)になるため、所得税・住民税の合計で比べる必要があります。また総合課税・申告分離課税を選ぶと配当が合計所得金額に含まれ、配偶者控除の判定や国民健康保険料・後期高齢者医療の保険料に影響することがあります。投資判断・申告方式の選択はご自身で行い、迷う場合は税理士や税務署にご相談ください。
特定口座・配当控除・少額配当の実務ポイント
- 源泉徴収ありの特定口座: 配当を特定口座に受け入れる(株式数比例配分方式)と、同じ口座内の株式売却損と配当が年末に自動で損益通算され、引かれすぎた税金は翌年初めに口座へ還付されます。確定申告なしで損益通算できる唯一の方法です(国税庁 No.1476)。
- 口座ごとの選択: 特定口座の配当は「口座ごと」に申告する・しないを選べますが、1回の配当ごとに選ぶことはできません。また、その口座の譲渡損失を申告する場合は、その口座の配当も併せて申告する必要があります。
- 配当控除の対象外: 外国法人の配当(米国株など)、J-REIT(不動産投資法人)の分配金、申告分離課税や申告不要を選んだ配当には配当控除が適用されません(国税庁 No.1250)。米国株の配当を総合課税にしても配当控除はなく、外国税額控除の適用を検討することになります。
- 証券投資信託の分配金: 総合課税を選んだ場合の配当控除率は、株式配当の10%ではなく5%(課税総所得1,000万円以下の部分)です。
- 未上場株の少額配当: 1回に受け取る配当が「10万円 × 配当計算期間の月数 ÷ 12」以下(年1回配当なら10万円以下)なら所得税の確定申告は不要にできます。ただし住民税では申告が必要です(国税庁 No.1330)。
関連する計算機
- 複利計算シミュレーター ↗ — 配当再投資の長期試算
- 現価係数 計算機 ↗ — 将来配当の現在価値
- ふるさと納税 限度額シミュレーター ↗ — 年収・家族構成から控除上限額を計算
- 株式投資指標 計算機 ↗ — 配当利回り・PER・PBRを株価と1株配当から計算
- 所得税 計算機 ↗ — 総合課税を選んだときの累進税率を確認
よくある間違い・注意点
- 上場と未上場で税率が違う:上場株式は20.315%(所得税15.315% + 住民税5%)、未上場株は所得税20.42%のみ(住民税は別途)。
- NISA口座は非課税:NISA・つみたてNISA枠で受け取る配当金は源泉徴収されません。本ツールはNISA以外の特定口座・一般口座向けです。
- 確定申告で所得税を還付できる:所得税率が低い人(年収330万以下など)は、確定申告して総合課税にすると還付が受けられる場合があります。
- 法人の受取配当は二重課税排除:法人が受け取る配当には「受取配当等の益金不算入」制度があり、一定割合は法人税の計算上益金にされません。
- 大口株主の判定は「発行済株式の3%以上」:上場株でも3%以上を持つ個人は「上場(大口株主)」を選んでください。源泉は20.42%で住民税は引かれず、申告分離課税や申告不要は選べません(総合課税のみ)。
- 入金額と配当総額を取り違えない:この計算機の入力は「口座に入った金額」です。配当計算書の「配当金額」(税引き前)を入れると、二重に割り戻してしまいます。税引き前が分かっている場合は「配当総額 × 0.79685」で手取りを求めてください。
- NISA口座は「株式数比例配分方式」が条件:配当を銀行口座で受け取る「登録配当金受領口座方式」や郵送の「配当金領収証方式」にしていると、NISA口座の株でも20.315%が源泉徴収されます。受取方式は証券会社の設定画面で確認できます。
よくある質問(FAQ)
Q. 配当金の源泉徴収税率はなぜ違うのですか?
Q. 確定申告した方が得ですか?
Q. 米国株の配当金の源泉徴収は?
Q. 入力データはどこに保存されますか?
Q. 配当総額(税引き前)から手取りを計算するには?
Q. 特定口座(源泉徴収あり)なら確定申告は不要ですか?
Q. 配当控除とは何ですか?いくら戻りますか?
⚠ 出典・税務情報に関する注意
出典: 国税庁「No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)」、国税庁「配当控除」、国税庁「No.1476 特定口座制度」、国税庁「No.2260 所得税の税率」、金融庁「NISA特設サイト」。 本ツールは現行の源泉徴収税率に基づく試算値で、特定の個別事案への税務判断を保証するものではありません。
最終更新日: 2026年9月25日
変更履歴
- 2026年9月25日: 解説・具体例・FAQを追加
- 2026/05/08 — FAQ・注意点・出典リンク追加
- 初版公開