休業補償給付とは
業務上の負傷・疾病(業務災害)または通勤途上の負傷・疾病(通勤災害)により療養のため労働することができず、賃金を受けられない場合に、労災保険から支給される給付です。業務災害は「休業補償給付」、通勤災害は「休業給付」と呼ばれます。
支給要件
- 業務上または通勤による負傷・疾病で療養していること
- 労働することができないこと
- 賃金を受けていないこと
- 休業4日目以降であること(最初の3日間は待期期間)
支給額
休業1日につき、給付基礎日額の60%(休業(補償)給付)と20%(休業特別支給金)が支給されます。合計で給付基礎日額の80%相当となります。
計算式と手順(この計算機の計算順)
- 給付基礎日額:災害発生日(または診断確定日)の直前3か月に支払われた賃金総額 ÷ その期間の暦日数(賞与は含めない)
- 支給対象日数 = 休業日数 − 3日(待期期間)
- 休業(補償)給付 = 給付基礎日額 × 60%(1円未満切り捨て)× 支給対象日数
- 休業特別支給金 = 給付基礎日額 × 20%(1円未満切り捨て)× 支給対象日数
- 合計受給額 = 休業(補償)給付 + 休業特別支給金
数値例1:給付基礎日額10,000円で30日休業した場合。支給対象日数は 30 − 3 = 27日。休業(補償)給付 6,000 × 27 = 162,000円、休業特別支給金 2,000 × 27 = 54,000円、合計 216,000円。
数値例2:給付基礎日額12,000円で10日休業した場合。支給対象日数7日。7,200 × 7 = 50,400円 + 2,400 × 7 = 16,800円 = 67,200円。休業が3日以内なら支給対象日数は0日で、労災保険からの給付はありません(業務災害なら事業主が3日分を補償)。
一部労働した日の例:給付基礎日額10,000円の方が午前中だけ働いて4,000円の賃金を受けた日は、(10,000 − 4,000)× 60% = 3,600円が休業(補償)給付になります(特別支給金も同様に20%で計算)。
早見表(休業30日・支給対象27日)
| 給付基礎日額 | 給付日額(60%) | 特別支給金日額(20%) | 27日分の合計 |
|---|---|---|---|
| 8,000円 | 4,800円 | 1,600円 | 172,800円 |
| 10,000円 | 6,000円 | 2,000円 | 216,000円 |
| 12,000円 | 7,200円 | 2,400円 | 259,200円 |
| 15,000円 | 9,000円 | 3,000円 | 324,000円 |
| 20,000円 | 12,000円 | 4,000円 | 432,000円 |
| 10,000円(休業10日) | 6,000円 | 2,000円 | 56,000円(7日分) |
| 10,000円(休業60日) | 6,000円 | 2,000円 | 456,000円(57日分) |
請求先・請求書の様式・時効
- 請求先:勤務先を管轄する労働基準監督署(労災保険はハローワークや健康保険ではありません)。
- 様式:業務災害は「休業補償給付支給請求書(様式第8号)」、通勤災害は「休業給付支給請求書(様式第16号の6)」。休業特別支給金の申請欄も同じ用紙にあり、1枚で両方を請求できます。
- 記入者:請求書には、事業主の証明欄(賃金・休業の事実)と診療担当医の証明欄(療養のため労働できなかった期間)があります。会社が協力しない場合でも、その旨を書いて本人が提出できます。
- 請求のタイミング:休業が長引く場合は1か月ごとなど区切って請求するのが一般的です。
- 時効:休業(補償)給付の請求権は、休業した日ごとにその翌日から2年で時効になります。長期休業中に請求を忘れると古い日から順に消滅していきます。
よくある間違い・注意点
- 待期3日は「連続」でなくてよい:休業した日を通算して3日目までが待期です。傷病手当金(健康保険)の待期は「連続3日」なので混同しないでください。
- 健康保険証を使って受診しない:仕事中や通勤中のけがは健康保険の対象外です。誤って健康保険で受診した場合は、あとで労災への切り替え手続きが必要になります。
- 休日も支給対象日数に入る:療養のため働けない状態なら、所定休日(土日など)も1日として数えます。
- 給付基礎日額には最低保障とスライド、年齢別の上限・下限がある:算定した額が最低保障額を下回る場合はその額になり、療養開始から1年6か月経過後は年齢階層別の上限・下限が適用されます。この計算機は入力した給付基礎日額をそのまま使います。
- 有給休暇を使った日は対象外:賃金を受けた日は「賃金を受けない日」に当たらないため、休業(補償)給付は出ません。待期3日を有給で処理するかどうかは会社と相談してください。
- 給付は非課税:休業(補償)給付・休業特別支給金とも所得税はかかりません。
- 試算値と実際の金額は差が出ることがあります:この結果は入力値と公表されている料率・計算式に基づく試算です。端数処理の方法、適用される年度、個別の加算・減額要件、申請時点の制度改正によって、実際に決定・支給される金額とは異なる場合があります。正式な金額は年金事務所・ハローワーク・保険者など所管窓口の通知でご確認ください。
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