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インボイス仕入税額控除額シミュレーター

適格請求書等保存方式(インボイス制度)の仕入税額控除額を計算。免税事業者からの仕入に関する経過措置(80%→70%→50%→30%→0%・令和8年度改正後)にも対応。

入力

消費税率(%)
仕入税額控除率(%)

計算結果

仕入税額控除額(小数点切り捨て)
800円
消費税相当額
1,000 円
控除率
80 %
計算過程
  • 消費税相当 = 11,000 × 10 / (100 + 10) = 1,000 円
  • 仕入税額控除 = 消費税相当 × 80% = 切り捨て後 800 円

※ 試算値です。簡易課税・2割特例の適用がある場合は別途計算が必要。実際の申告は税理士へご確認ください。

インボイス制度とは

インボイス制度(適格請求書等保存方式)は、2023年10月1日からスタートした消費税の仕入税額控除の方式です。 売手が買手に対して適格請求書(インボイス)を交付し、買手はそのインボイスを保存することで、 支払った消費税を仕入税額控除として差し引けるようになりました。

適格請求書を発行できるのは、税務署に登録した適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)のみです。 免税事業者(年間売上1,000万円以下等)はインボイスを発行できないため、その仕入については原則として仕入税額控除ができません。

計算式

仕入税額控除額 = 税込金額 × 税率/(100+税率) × 控除率
(小数点以下切り捨て)

例えば税込11,000円(10%)の仕入の場合、消費税相当額は 11,000 × 10/110 = 1,000円。 控除率100%なら1,000円、80%なら800円、50%なら500円が仕入税額控除となります。

計算手順と具体例

この計算機は「税込金額」「消費税率」「控除率」の3つから、次の手順で控除額を出しています。免税事業者(インボイスを発行できない取引先)からの仕入について、経過措置でいくら控除できるかを確かめる用途を想定しています。

  1. 税込金額から消費税相当額を取り出す:税込金額 × 税率 ÷(100+税率)。10%なら「× 10 ÷ 110」、軽減税率8%なら「× 8 ÷ 108」です。
  2. 控除率を掛ける:インボイスがあれば100%、免税事業者からの仕入は経過措置の割合(2026年9月までは80%、2026年10月以降は70%→50%→30%と段階的に縮小)を掛けます。
  3. 1円未満を切り捨てる:結果の小数点以下は切り捨てます。

例1:免税事業者のデザイナーに税込33,000円(10%)を支払った場合(控除率80%)

  • 消費税相当額:33,000 × 10 ÷ 110 = 3,000円
  • 仕入税額控除:3,000 × 80% = 2,400円。残りの600円は控除できず、実質的に仕入コストになります。

例2:税込25,000円(10%)の外注費で端数が出る場合(控除率80%)

  • 消費税相当額:25,000 × 10 ÷ 110 = 2,272.73円
  • 2,272.73 × 80% = 1,818.18円 → 切り捨てで 1,818円。同じ取引を2026年10月以降の70%で計算すると1,590.91円 → 1,590円です。

実際の申告書では、消費税相当額を国税分(7.8/110)と地方消費税分に分けて計算しますが、合計額はこの計算機の「10/110」で求めた値と一致します。取引が多い場合は1件ずつではなく、税率ごと・控除率ごとの税込合計額を入力すると集計が早く済みます。

仕入税額控除額の早見表(税率10%)

免税事業者への支払額(税込)と控除率の組み合わせで、控除できる額がいくら変わるかをまとめました。控除率100%との差が「インボイスがないことで増える負担」です。

税込支払額消費税相当額100%80%70%50%30%
11,000円1,000円1,000円800円700円500円300円
55,000円5,000円5,000円4,000円3,500円2,500円1,500円
110,000円10,000円10,000円8,000円7,000円5,000円3,000円
330,000円30,000円30,000円24,000円21,000円15,000円9,000円
1,100,000円100,000円100,000円80,000円70,000円50,000円30,000円
10,800円(軽減8%)800円800円640円560円400円240円

経過措置(免税事業者からの仕入)

免税事業者からの仕入について、急激な負担増を避けるため段階的な経過措置が設けられています。 一定の事項を記載した帳簿・請求書等を保存することが要件です。

期間控除率備考
2023.10〜2026.9(現在)80%令和8年9月30日までは従来どおり80%
2026.10〜2028.9(令和8年10月〜令和10年9月)70%令和8年度改正で新設(改正前は50%の予定だった)
2028.10〜2030.9(令和10年10月〜令和12年9月)50%仕入税額相当の50%が控除可能
2030.10〜2031.9(令和12年10月〜令和13年9月)30%令和8年度改正で新設
2031.10〜(令和13年10月〜)0%控除不可(経過措置終了)
2026年9月現在は経過措置の80%期間の最終盤です。 令和8年度税制改正により、令和8年10月1日以後に開始する課税期間からは70%控除に移行します(改正前に予定されていた50%ではありません)。免税事業者からの仕入が多い事業者は影響を試算しておくことをおすすめします。同一の免税事業者等からの課税仕入れ(税込)が年1億円を超える部分は経過措置の対象外です。

令和8年度税制改正による経過措置の見直し(2026年10月以降)

上の表の割合は、国税庁のインボイス制度特設サイトで公表されている令和8年度税制改正後のものです。改正前は「2026年10月から50%、2029年10月から0%」の2段階で終了する予定でしたが、令和8年10月から2年間は70%、令和10年10月から2年間は50%、令和12年10月から1年間は30%という3段階で縮小し、令和13年10月に0%になる形に見直されました。この計算機の控除率ボタンは改正後の5段階(80・70・50・30・0%)に対応しています。

  • 同じ免税事業者からの課税仕入れの合計額(税込)が1年(事業年度)で1億円を超える場合、超えた部分には経過措置を使えません(改正前は10億円)。
  • 個人事業者向けに、納付税額を売上税額の3割にできる「3割特例」が新設されました(令和9年分・令和10年分の申告。基準期間の課税売上高1,000万円以下など要件あり)。2割特例は「令和8年9月30日の属する課税期間」までで終了します。
  • 少額特例(税込1万円未満の取引はインボイス不要)の期限は令和11年(2029年)9月30日で変わっていません。

改正後の割合は、令和8年10月1日以後に開始する課税期間から適用されます。決算期によって切り替わるタイミングが異なるため、自社の課税期間に当てはめて国税庁のページで確認してください。この計算機の控除率欄は自由入力なので、ボタンにない割合を試したいときは直接入力してください。

よくある間違い・注意点

  • 税抜金額を入れてしまう:この計算機は「税込金額」を前提に 10/110 を掛けます。税抜30,000円なら税込33,000円を入力してください。税抜のまま入れると消費税相当額が2,727円と少なく出ます。
  • 登録番号の確認漏れ:請求書に「T+13桁」の登録番号があっても、取り消し・失効していることがあります。国税庁の公表サイトで取引日時点の登録状況を確認しないと、80%のつもりが100%で処理してしまう(またはその逆の)誤りが起きます。
  • 経過措置には帳簿の記載が必要:控除率80%・70%などの経過措置を使うには、帳簿に「80%控除対象」などの経過措置の適用を受ける旨を書き、区分記載請求書と同じ事項が書かれた請求書を保存する必要があります。計算だけ合っていても要件を満たさなければ控除できません。
  • 簡易課税・2割特例の人はこの計算が不要:売上税額から納付額を決める方式なので、仕入側のインボイスの有無で税額は変わりません。原則課税の事業者だけが対象です。
  • 切り捨ての位置:この計算機は「消費税相当額 × 控除率」の結果を1円未満切り捨てにしています。会計ソフトによっては消費税相当額の段階で端数処理するため、1円の差が出ることがあります。

適格請求書の記載事項

  • 適格請求書発行事業者の氏名・名称、登録番号(T+13桁)
  • 取引年月日
  • 取引内容(軽減税率対象品目はその旨)
  • 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜or税込)と適用税率
  • 税率ごとに区分した消費税額等
  • 書類の交付を受ける事業者の氏名・名称

少額特例・2割特例

  • 少額特例: 基準期間の課税売上1億円以下の事業者は、税込1万円未満の取引はインボイス保存不要で仕入税額控除可能(〜2029.9)
  • 2割特例: インボイス制度を機に課税事業者になった小規模事業者は、納付税額を売上税額の2割にできる(令和8年9月30日の属する課税期間まで。個人事業者は2026年分まで)。令和9年分・令和10年分は個人事業者向けの「3割特例」に引き継がれる
  • 簡易課税: 基準期間の課税売上5,000万円以下の事業者は、業種ごとのみなし仕入率による計算が選択可能

よくある質問

Q. 適格請求書発行事業者かどうかはどう確認する?

A. 国税庁「適格請求書発行事業者公表サイト」で登録番号(T+13桁)を検索すれば確認できます。

Q. 経過措置の80%/70%控除を受けるには?

A. 区分記載請求書等の保存と、経過措置の適用を受ける旨を記載した帳簿の保存が必要です。

Q. 簡易課税を選択している場合は?

A. 簡易課税ではインボイス制度の影響を受けません(売上のみで仕入税額が決まるため)。本シミュレーターは原則課税向けです。

Q. 免税事業者に税込11万円を払ったら、控除額はいくら減りますか?

A. 消費税相当額は110,000 × 10 ÷ 110 = 10,000円です。インボイスがあれば10,000円全額を控除できますが、経過措置80%なら8,000円、2026年10月以降の70%なら7,000円になり、差額の2,000〜3,000円分だけ納める消費税が増えます。

Q. 控除率の欄に80や50以外の数字を入れてもいいですか?

A. はい。ボタンは令和8年度改正後の区分に合わせた100・80・70・50・30・0の6種類ですが、欄は自由入力なので、それ以外の割合でも対応する控除額が出ます。税率も8(軽減税率)と10以外を入れられます。

Q. 税込1万円未満の少額な支払いでもインボイスは必要ですか?

A. 基準期間の課税売上高が1億円以下(または特定期間5,000万円以下)の事業者は、税込1万円未満の取引について帳簿の保存だけで控除できる少額特例があります(令和11年9月30日まで)。この場合は相手が免税事業者でも控除率100%で計算して構いません。

Q. 経過措置の80%は2026年10月にどう変わりますか?

A. 令和8年度税制改正により、令和8年10月から2年間は70%、令和10年10月から2年間は50%、令和12年10月から1年間は30%、令和13年10月以降は0%になります(令和8年10月1日以後に開始する課税期間から適用)。改正前に予定されていた「50%は2029年9月まで」の区切りとは異なるので注意してください。

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最終更新日: 2026年9月21日

変更履歴
  • 2026/09/21 — 令和8年度税制改正の経過措置(70%/50%/30%・上限1億円)にプリセットと本文を更新
  • 2026/09/21 — 解説・具体例・FAQを追加
  • 2026/05/08 — 出典リンク・最終更新日追加
  • 初版公開